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2011年2月 1日(火)

牙をむく善意

昨夜、Twitterでこんな文言を見かけました。


釧路でRHマイナスABの方いませんか??輸血を必要と、してる赤ちゃんがいるそうです!! リツイート希望です!!


連絡先も無く、コレを拡散することに意味があるのか?と。

ツイートを追ってみると、2人ぐらいが発端で広がり、もう一つの方には「釧路赤十字病院」という病院名が入っていました。

根性がひん曲がっていると言われても反論できませんが、一番最初に頭によぎったのは「善意のチェーンメール」というもの。

「チェーンメール」というのは、昔で言う「不幸の手紙」。
何やかんやの理由を付けて複数人に送信することを迫ると言う物。

「○人に転送しないと死にます」と言った怪奇系や、「止めた人にこの金額を請求する」と言った請求系。
そういうものの他で、ある意味で一番タチが悪いのが善意系。

今回のように「血液が足りない」というもの(Wikipedia チェーンメールが招いた悪影響 「輸血騒動」参照)や、「ペットショップが破産して動物が処分されるので貰い手を募集している」とかいったもの。

最近では、SNSやTwitterで拡散されることもあるようです。

でもって、今回のは今のところ真偽は分かっておりませんが、二次・三次と拡散されていった場合、大いに危険だと思ったので基本的には回さないようにしています。

今回は、「大丈夫だったらしい」というツイートは見かけますが、結局は「伝え聴き」の域を出ておらず、やはり真偽は分かりません。

また、「大丈夫だった」というものの一方、今もまだ募集のツイートは拡散し続けています。

そんな中、ツイートに取り上げられた「釧路赤十字病院」では、「輸血の呼びかけについて」と、以下の文を掲載しました。

インターネット上にて、当院から輸血の依頼を呼びかけているような情報が掲載されておりますが、
当院から発信された情報ではございません。掲載された内容のお問い合わせには応じかねますので、
ご理解くださいますようお願い致します。


おそらく、相当数の問い合わせがあり、業務に影響が出るようになったのでしょうね。

さて、事実だとしてこの行動の問題点はどこにあるでしょう?

一番問題なのは、期限が無いこと。
募集ばかりが拡散され、その後どうなったのか、間に合ったのかという情報は流れにくいと言うこと。
これは、「大丈夫だった」というツイートと平行して「募集している」というのが流れていることからも分かるように、もしかすると年単位でも残る可能性をはらんでいます。
そのまま転載させたいのであれば、年月日を明記した方がいいでしょう。

月日だけだと、田舎の方にたまにある何年たってもある「○月○日新規オープン!」って看板みたいになっちゃうので。

どこかのサイトで見たのですが「拡散するなら、Webサイトを作ってそこへのリンクにするべき」という意見。
これだと、拡散が続いてもリンク先で最新情報が入手できるためストップが可能になるというのはいいアイディアだと思いました。


冷たいと言われるかもしれませんが、最初のツイートのような状況になった場合、病院はそれ以上に必死に血液を確保しようとしているでしょう。

採血された血液が直接輸血されることはきわめて稀な上、希少血液型の人は登録されているため、インターネットで不特定多数に、個人が発信しなくてはいけないような状況になる可能性は非常に低いと思うのです。

なので、どんなに善意だろうとも出所があいまいであやふやな物を回覧させてはいけないとワタクシは思います。

情報を検索しているうちに見つけた、ツイートで今日の日記を閉めたいと思います。

献血 RT で「デマか本当か分からないけど、本当だったら助かる命があるから RT する」とか書いてる人いるな......。デマが病院の業務妨害になってて、助かる命が失なわれる可能性を想像できてない。本当はそこまで想像が必要だ

@lilyfanjplさん、09年12月16日のツイート


皆様におかれましても、それは転載して大丈夫なものか、一度深呼吸をして考えた上で行っていただきたいと思います。

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