国内最王手SNS、mixi(ミクシィ)。
そこに追加された2つの新機能が、壮大な物議呼び起こし、両方とも「一時停止」となりました。
「運営会社」と「ユーザー」の考えに大きな隔たりがあることが明らかになった気がします。
とりあえず、「SNS(ソーシャルネットワーキングサイト)」と「mixi」に関しては解説放棄。
分からなかったら検索の上ココから先を読むとちょっと分かりやすいと思います。
事の発端は、11月30日。
「メールアドレスでマイミク登録」の仕様変更が実装されました。
何が変わったのか良くわからなかったんだけど、その仕様が疑問視されます。
コレ以前も、メールアドレスでマイミク(友人)を検索することは出来ました。
しかし、メールアドレスを入れて出来るのは、「そのメールアドレスで登録している人が居るかどうか」だけ。
そこでは、検索された側のユーザーIDやプロフィールページへアクセスは出来ず、申請を出すことしか出来ない仕様でした。
それが、仕様が変わり、メールアドレスで検索した後にユーザーのプロフィールページにアクセス出来る仕様になったのです。
アクセスログである「足あと」を消す機能と併用すると、メールアドレスを知っている人に検索され、プロフィールやそこで書いている日記を調べることが出来るのですよ。
危険な例とされていた例として、履歴書に書かれたメールアドレスで、人事課が調べられるということ。
すぐに、この機能は「どうなんだ」という話が広がり、他メディアでも報じられていく中、翌日の12月1日に「最近の動き(アクティビティ情報)の追加」というリリースが出ました。
コレは、ユーザーが新たに参加したコミュニティや、そのユーザーと新たにマイミクシィになった人が、そのユーザーのマイミクシィに通知されるという機能。
これまた問題視する声が多々。
「誰が得するんだ。ただのストーカー機能だ」とか、「新たに友人になった人が、現在登録している友人すべてと友人なワケではない」とか、「性的なコミュニティに加入すると、セクハラになりうる」とか。
mixi内でも、「アクティビティ機能やめて」というコミュニティが出来、これも他メディアで報じられるようになりました。
皮肉なことに、加入したコミュニティが表示される「アクティビティ機能」により、「アクティビティ機能やめて」に加入することが通知され、鼠算式に知られ、参加人数が増えていきました。
機能開始から3日間で10万人弱のユーザーがこのコミュニティに加入という状況に。
アクティビティ機能を最大に有効活用したのは、「アクティビティ機能やめて」のコミュニティでしょうね。
そして12月2日、「メールアドレスでマイミク登録」が「見直しを行うため、変更前の仕様に一旦戻す」と発表がされました。
さらに今日12月3日、「アクティビティ情報は、設定機能の追加を行うため機能を休止」と発表。
追加した新機能は、ユーザーにより否定され、停止という流れになりました。
運営側が目指す方向性と、ユーザーが求めているもののズレが如実になった気がします。
この二つの機能は、海外大手SNS「facebook」には付いているらしいのです。
だから、どういうリアクションがあるのかってのをあまり考えずに実装したんでしょう。
でも、ユーザーは求めていなかった。「mixiはソーシャルグラフに」という会見があったそうですけど、その「ソーシャルグラフ化」ってのはfacebookがすでに発表していたそうな。
mixiユーザーは、「mixi」がやりたいだけで、「facebook」がやりたいわけじゃないんだよね。
「ソーシャルグラフ」っていうカタカナ言葉で発表したって、まったく持って伝わってない。
変なたとえ話ですが、「老人ホーム」だったところを、「アクティブなエンターテイメントホームにします」とカタカナ語でよく分からないことを外部(あくまでも外部に)に大々的に発表して、入居している人をそのままにして、誰でも入れるゲームセンターにしてしまいました...って感じ。
そりゃぁ、入居者は文句言いますよ。
なんで、「mixiの持っているいいところ」ってのを大切にしないで、有名になった別サイトのいい所の真似事を追加していくスタイルも限界があるんじゃないかな?なんて思うんですよね。
ホント、今回の2つの機能の否定って、ユーザーは目線に入ってないっていうのが出たような気がするんですよね。
ユーザー主体で伸びてきたのに、それをどうコントロールするかってのを見誤ってる気がします。
まぁ、今回のムーブメントで、プライバシーに関する新機能の実装はあまりやらない方がいいってのは分かったでしょうな。