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2009年6月 8日(月)

理論でもムリじゃね?

100%では無いオレンジジュースのパッケージには、果実の切り口を描いてはいけない。

ちょっとしたウンチク話として出てくるこの話。
「別に、10%のジュースでもいいんじゃないか?」と思う人も少なくないと思うのです。

でも、これは公正取引委員会が作った文書の中に、記述があるからなんだそうです。


最近では、「貼るだけで携帯電話の電波がよくなるシート(参考)」だとか、「超音波蚊よけ機(参考)」とか、「銀配合製品の消臭効果(参考)」なんかが、公正取引委員会から排除命令を受けたりしています。


最近、ちょっと気になったのは、「無線LANルーター」の速度表示。

「300Mbps!」だとか、「150Mbps!」とデカデカと書かれた文字の下に、物凄く小さく「規格上の理論値です。当商品での速度を保証するものではありません」と。


確かに、IEEE 802.11nの規格最高速度は300Mbps。
実効速度は落ちるのは重々承知ではありますが、その機器の詳細を見ていると、「絶対に出ない」と言い切れるものも少なくありませんでした。

有線WAN(要はインターネットに接続する側)や、有線LANの規格が、最高速度100Mbpsの「100BASE-TX」でしかないのです。

ルーターのロスだとか、無線LANの実際の速度を全部無視して、「理論上の最高値」にしたとしても、この商品で300Mbpsが出ることは無いと思うんですよ。

専門家じゃない、素人考えだということを付記させていただきますが、「出ない」と判断した理由は以下の通り。


無線LANで接続したPCから、1000Mbpsの回線経由でWebサイトに接続した場合は、WANの最高速度「100BASE-TX」が速度上限となり、100Mbpsまでしかでない。

無線LANで接続したPCから、ルーターに接続された有線LANのPCに接続し、ファイル転送した場合、これも有線LANの最高速度「100BASE-TX」により、100Mbpsしか出ない。

無線LANで接続したPCから、同じく無線LANに接続されたPCに接続し、ファイル転送した場合、最高速度を接続台数で割った値が、接続機器1つあたりの速度になるので、150Mbpsしか出ない。


規格の理論値とはいえ、「絶対に出ない速度」を書くってのは、独占禁止法としては問題がないのかな?と。

書いていて思いついたのは、「無線LANルーターの中の管理画面に接続する時」に300Mbpsが出る可能性があるかもしれない...ぐらいかなぁ。
でも、そんな限定的な用途の速度をデカデカと書かれてもどうしようもないと思うのですが。

で、少々調べてみました。

「不当景品類及び不当表示防止法」(参考:Wikipedia)の、優良誤認の部分の、商品・サービスの内容が、事実と相違して、実際よりも優良であると誤認させるって所に抵触しないのかなぁ?と。


どこかで問題になってないのかな?と調べたところ、2004年4月に公正取引委員会からメーカーに注意が行っているようです。(ITmediaニュース)

5年前に問題になっていたのは、「IEEE 802.11g」や「IEEE 802.11a」の「最高速度54Mbps」だと思われます。
この頃の有線LANはほぼ100BASE-TXだったので、今回取り上げた例みたいに、「どう考えたって絶対に出ない」っていうワケでは無いと思うのです(実際は出ないけどね)。

「理論値で出ます」ならともかく、「理論上でも出ない」ってのを、パッケージのどの文字よりも大きく書くってのはどうなのかなぁ?と。

なお、ウチの無線LANは11gと11aの同時利用ですが、回線速度自体が1.5MbpsのADSLなので、原状まったく問題ありません。

にしても、コレが許されるなら、「理論上」って凄く便利な言葉になりうるような気がするんだよなぁ...。

逆説的に、「望んだ結果になる理論」を作ればいいんだからさ。

うん、コレを続けるとややこしい&長いことになりそうなのでココで切り上げ。

無線LANルーターをご購入の際は、「有線WAN」が1000BASE-Tと書かれたのを買った方がいいと思います。

そこそこ値段差があるんですけどね。


そんなことを考えつつ本日の日記でした。

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