札幌市営地下鉄は、「車内では心臓ペースメーカーに影響を与える恐れがあるため、携帯電話の電源は切りましょう」となっていました。
それが、「マナーモードに設定し、通話は禁止。優先席付近では電源を切る」というのに変わるんだそうで。
携帯電話の電車内でのマナーが問題になった頃に、「有無を言わせない理由」として登場したのが「心臓ペースメーカーへの影響がある」というコトでした。
しかし、その理由付けが疑問視され、首都圏では比較的早く、理由として「ペースメーカー」を上げることは少なくなり、「優先席付近では電源を切りましょう」ということになり、メールやゲームをすることに対しては寛容になったような気がします。
心臓ペースメーカーは、「安全距離」があり、その距離は22センチ。
その距離も、安全を考慮した数値なので、実際に影響が出る距離はさらに短いんだそうです。
たとえば、左胸にペースメーカーを埋め込んだ人が、右耳で携帯電話を使っても影響は無いそうです。
あと、使用する電波の周波数帯や、通信方式によっても影響に差があるという調査結果が出ているそうです。(参考:Wikipedia 心臓ペースメーカー)
この中で一番影響があるとされる800MHz帯のPDCは、現行ではドコモのムーバがこれにあたり、FOMAへの移行が進み、端末数自体が減っている上に、2012年での廃止が発表されているため、数が減り続けているのは間違いないでしょう。
また、ペースメーカーを製造するメーカーにしても、「携帯電話の影響を受けないペースメーカー」の研究をしていることも間違いないでしょう。
で、先に書いた調査結果が2002年のこと。
首都圏で、「心臓ペースメーカーが」という理由をつけなくなったのはこの頃からだといわれています。
そして、「とりあえず禁止」から、「何を禁止するべきなのか」という再考が行われたのかな?と。
周りをはばからず、大声で通話することが迷惑なワケで、メールだとかゲームだとかは迷惑じゃないんじゃない?って結論になるのは極自然だと思うワケで。
で、首都圏では、「優先席付近では電源OFF、その他の場合でもマナーモード」てのがルール。
事実として、「携帯電話が原因となり、ペースメーカー使用者が体調不良を訴えた」というコトも無いので、マナーとしては間違っていないと思うのです。
電波での影響が云々という話が無くなった以上、混んでいる車内の座席で思いっきり新聞を開くのはOKで、それより小さい携帯電話の画面を見つめるのはNGと言う理由が無いですからね。
で、札幌での「地下鉄でのマナー」がようやく変わることになりました。
市営なので、市議会を通して決まったらしいですよ。
で、「通話はダメ」というのは変わらないワケですが、地下鉄なワケですよ。
ホームで止まっているときぐらいしか電波は無いワケですよ。
数秒で切れることが分かっているなら、「出ない」というコトもマナーな気はしませんか?と。
そりゃぁ、数時間後に折り返したりしたらダメだろうけど、数十分ぐらいなら「スイマセン、電車に乗ってまして」と言えば解決すると思うんですよね。
お得意先に不快感を持たせてはいけないっていうのはあるかもしれないけど、マナーを守ったことを咎められるとなると、なんか違うんじゃないかなぁ?という感じもします。
と、本来であれば最初に考えてから禁止にしろって話なんだけどね。
私鉄であってもあくまでも「公共の交通機関」なワケで、「なんとなく禁止」ってのは止めてほしいなぁ・・・ってのが正直なところ。
他人の行動を許せることと、他人のそれに甘えないことってのが必要なんじゃない?って思ったりします。
そんな感じの本日の日記でした。