任天堂からニュースリリースが出ました。(ニンテンドーDS用機器に対する差止訴訟に関する東京地裁判決について)
「自作ソフトウェアを動かすことが出来る」という名目ではありますが、殆どの利用法が「ソフトを無料で遊ぶこと」が目的であろう「マジコン」。
で、前回訴状が出て、被告として挙げられた会社のサイトが即刻消えたり・・・なんてことがありました。
「コピーしたソフトが動くなら、PCもダメなんじゃないか?」ってなのを、このニュースを引用したmixiの日記なんぞで見ましたが、批評ぶるならちゃんと調べて書けと。
去年の7月に出ました、「ニンテンドーDS用機器に対する法的措置について」というリリースを見ますと、コピーしたソフトに対する「著作権法違反」ではなく、「不正競争防止法」に基づいての訴訟なのですよ。
その7月の時点で書かれたITMediaの記事を参考に書いて見ます。
本来であれば、ライセンスを受けて開発されたソフトしか動かない仕組みなワケですよ。
そこで、「本来起動しないはずのプログラムが商品が売れることで、ソフトメーカーの利益が害された」という理屈での訴訟なのです。
「著作権法違反」であれば、うろ覚えで浅い知識ではありますが、コピーソフトをアップロードした一人だけが違法であり、ダウンロードする人は「ダウンロード違法化」の法がまだなので、現状では違法ではありません。
ましてや、機器を製造した人・企業、つまり今回の訴訟で被告に当たる企業は、違法ではないのです。
つまり、「本来動かないはずの物が動いて、不利益をこうむった」ってのが訴状の内容。
要は、「アップロードする人、ダウンロードして遊ぶ人を訴えてったらキリがないから、製造元を潰そう」という考えなワケだ。
「マジコン」だとか、「ゲーム改造ツール」って、驚くぐらいに低年齢層にも浸透していて、「アングラ色」がものすごく薄くなっているんだよね。
書店に行くと、ゲーム誌に混じって、「マジコンの使い方」みたいな解説雑誌が並んでいるワケですよ。
それも、非常にポップでキュートなデザインで、いわゆる「グレーゾーン」のことを解説しているとは思えないような状態。
こういうベクトルの本として、「ゲームラボ」ってのがあるんですが、それは、もうなんていうか、あふれんばかりの「怪しさ」が紙面からあって、「あ、きわどいことやってるんだ」ってのが良く分かりますし、作っている側もそういうのを隠すつもりはまったく無いんでしょう。
そういうのならともかく、「コレ、みんなやってるから、やらなきゃ損!」みたいな雰囲気にさせるのが、最近の「マジコン紹介雑誌」の雰囲気。
ゲーム改造ツールにしても似たようなモンで、某量販店のゲームソフト売り場で、小学生が親に「コレが欲しい」と改造ツールをねだっているのを見たときは、「それってどうなんだろう・・・」と思った次第です。
まぁ、「ゲーム改造ツール」なんて豪勢なものじゃなくて、「強いポケモンが作れるソフト」ぐらいにしか思ってないかもしれませんけどね。
んで、このニュースリリースを受けて、Yahooオークションではマジコンの出品を禁止。(Yahooオークション お知らせ)。
店頭販売が減り、オークションで販売される数が増えていたらしいのですが、それも減っていくことになるでしょうな。
まぁ、「マジコン」を使って遊んでいた人達が、買ってソフトを遊ぶようになるか・・・というと、また別の話なんだろうけどね。
と、そんな感じで本日の日記でした。